フラメンコ・オーレ フラメンコファンと練習生を一挙にスペインへ!
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2001年08月のセビリア発信・つれづれ草
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●2001年08月14日(火)

【ベルディアレスのレトラ】


見落とすといけないので、今週土日のベルディアレスのレトラ、スペイン語ですけどここにアップしておきます。レッスンにはパリージョ忘れないで下さいね。いつもと違う変わった奏法習いますよ。

初めて見る方、とにかくちょっとこの歌詞見ておいてください。レッスンで丁寧にやりますから当日、各自持参して来てください。
暗記出来る方は更にBIEN!

また、こんな事ぐらいであの皆さんお得意の「ついて行けない」、やらないでね。たまには他のバリエーション聞いてみたい。「簡単過ぎる!失望したぞ!もっとなんかないのか?」を、もう気持ち礼儀正しい、感じの良い表現で..とか。では、以下、ベルディアレスの一番。とりあえず

NOTE QUITE, NOTE QUITE  やめないで、やめないでおくれ
NOTE QUITE DE BAILAR    どうかそのまま踊って
NOTE QUITE, NOTE QUITE

PORQUE BAILANDO PARECE     *まるで祭壇にいる人のように
A LA QUE ESTA EN EL ALTAR  美しい君の舞い姿だから

NOTE QUITE, NOTE QUITE     やめないで、やめないで

(以下は、リフレインで何度も出てくるので、せめてこれだけは暗記の事)

ME GUSTA EL VINO,y LA LIMONA(DA)       ぶどう酒が好き、レモネードも、
PERO LO(S) NIN〜OS,PERO LO(S) NIN〜OS    でも、もっと好きなのは男の子
ME GUSTA  MA(S)                         

*祭壇にいる人とは誰ぞや。そりゃあ、キリスト教国だもの、マリア様よ。

あでやかな舞い姿、カスタネットにとりどりのおリボンつけて、こんな歌まで歌ったら、世界中の男性のハートがしめあがっちゃうかもよ!

あんまりかわいくて、か
あんまりひどくて、のどちらかしかない。ははは...中間色なしよ。いいでしょ?はっきりしていて。前者目指して頑張りましょう!前者ね、あくまで。

ルンバのクラスですが、前回のあの、内気、あの胸式呼吸で鉄火肌、めちゃめちゃいい女風の、キザなルンバなんか果たして果敢にやれるんだろうか、あの子達に...とすこぶる懐疑的な私です。
どう?腹式やれるようになりましたか?

もしかしてとんでもない事になるといけないので、すべり止めにタンゴのレトラ、ここに書いておきます。クラスの冒頭で、私がキザの見本やってみますから、ひえー!とてもだめだ!というのでしたら内向しないで、まだ無難なタンゴにすみやかに移行しましょう。

これでも恥ずかしい人は家の押し入れに閉じこもって外出しない事。禁固刑を言い渡します。(どうしてこんなに恥ずかしがり屋さんで、フラメンコなんてやくざなものやろうとするのかしらね、クラスの前から笑えてくるんだもの)

SI TUS OJILLOS FUERAN
ACEITUNA VERDE
TODAS LAS NOCHE ESTARIA
MUELE QUE MUELE (BIS)

DE TI DESEO YO TOITO EL CALOR
PATI MI CUERPO SI LO QUIERES TU
FUEGO EN LA SANGRE 
NOS CORRE A LOS DOS

COMO EL AGUA(BIS)

せんせーーーい!意味は?
言わない。ちょっと大人っぽくて、みんなが恥ずかしがるといけないから。
あの素晴らしい不世出の天才カンタオール、カマロンのヒットでした。
それはそれは、とっても美しい情熱の歌詞なのだけど、どっきりしてしまうの...ちょっとね。

時間があれば、チェックしますが、本日にて質問その他はおしまい。あんまり大変なお答えはできないかも。ほかの国に仕事があるので、明日発ちますが日本には金曜まで着きません。どこの国に行くかは、爆弾しかけられるのも嫌なので(まさか!)公表しません。
何かありましたら、アカデミーに電話、フアックス、メールお願いします。お返事は着くまで待ってね。内輪の連絡で申し訳ないけれど、各クラスのインストラクター、受け持ち生徒にレトラの公表徹底してください。外部生より中の子がいつでもポケポケしているので。

 夕べ疲れて原稿が書き上がらず、また、飛行機でお仕事の続き。公認会計士もこんなに仕事するか!?たまには余裕で旅がしてみたい。人がましく....。

●2001年08月13日(月)

【不気味な沈黙ーその2ー】


 私の帰国が近づくと10日前を目途に断然ゲストブックが沈黙を始める。
なんていうのかなー、来るぞゥ...という緊張感がこんな画面を通してでも感じられる。
つれづれに何を書こうが、スペイン語更新しようが、そんなものは目じゃない、それどころじゃない、という感じがするのは気のせいかしら?
自分のHPなのに開くと居心地悪くなってしまう。
だって、なんだかみんなで息をひそめていて変....。

 今日は、原稿を書き上げるのでまだ苦労している。あれからまた、曲が増えてしまった。最後の1曲のつもりがあと5曲増えてしまった。ZAMBRAをフラメンコの曲として入れようかどうしようかなかなか決めれない。あの素晴らしいサビーカスのダンサ・モーラはZAMBRAだ。まだ10代の頃から踊ってみたかった。
そろそろやれそうな気がする。
 
 今日、このヌメロについて調べていたら、踊った人がほとんど居ないと言う事に気がついた。歌もおそらく二人ぐらいしか録音していない。若いカンタオールではおそらく歌えない。ギタリストもお爺さんでないとダメかも知れない。つまり共演者が見つからないかも知れないのだ。共演者で苦労する踊りは以外と多い。近年特にそうだ。デブラやトナがやりたくてもはて、誰に歌わせよう、という時になかなか老練なカンタオールは少ない。早く共演しておかないと....いつもみんなにクラスで言い聞かせる事だけれど、今、私達は重要なフラメンコ史の分かれ道に立っている。
 フラメンコは勿論、時代ごとにその時代なりにモダンになって来ているのだけれど、これ程極端に変換しようとしている時代はなかったと思うのだ。かろうじて原始フラメンコの香を持っていたアーティストが最近次々と亡くなる。
 アルカンヘル、マカニータ?結構。でも、重い、重い、あのフラメンコは無くなりつつある。スリップドレスみたいなのじゃなくて、ずっしりとしたコーラに伝統の花をきちんとした匂い立つような踊り手、もう既にあまり見かけない。スペインフラメンコ20年の生き証人として、私はやっぱりこの本に取りかかって当然だったのだな、としみじみと思うのだ。
どの曲一つ取っても文献にはない、沢山の楽屋話がある。どっと押し寄せて来る思い出のあれこれは、みんな貴重な資料に違いないのだ。

●2001年08月12日(日)

【明日こそ!最終書き上げ】


 最終章を終わろうとしている。
何をって、もうみんなの聞き飽きた、私の真夏の十字架、「本」です。

おお、今思い出してしまった。題はどうしますか?と言われて久しい。
出版社では仮名として「フラメンコ・ダンサーのためのQ&A」としていると言われた。だめよー、そんなぁ、つまんない名前!第一、これ、歌やギタリストにも読んで欲しいな。伴奏についてなんかとても詳しく書いている個所が沢山あるのだ。例えば、わくわくスペインみたいに、あんまり当たり前じゃなく、それでいてちゃんと中身を言い当てていて、思わず手に取りたくなるような題はないかしら?
あなただったらどんな題が好き?
アイディア名付け親には、出版第1号を差し上げましょう!
如何?応募してみて是非!
表紙のイラストは又、私が描く。みんな原稿が終わってからなら、心も楽しくいい絵が描けるかも。ま、素人ですからそう言ったって大した事はないですけどね。手に取ると嬉しくなるようなイラストが描きたいです。体育の日までにまた、お絵かきも練習しないとね。

...ところで、最終章。「フラメンコの主な曲と解説」何が主なものかね。25にもなってしまう、どうしよう!と言っていたのはついこの間ではなかった?もう、たったの1曲を残して全部書き上げました。
はーーーはっはっはー、42曲になってしまいましたよ!!!

フラメンコの全ての曲。おそらく19世紀に消滅してしまったようなのも、みんな。これでどうだ!みたいに....えらい事になってしまいましたね。

ヘレスのフラメンコ学会、私の事、表彰してくれないかなぁ。「ペンを持つバイラオーラ、私、字も書けるの」賞。または「脳みそも?」賞とか。

昨日友人が、「バイラオーラによるフラメンコの本って、きっと歴史上初めてぐらいだよ。」...気がつきませんでしたから、感動してしまいました。もう、抱きしめてしまおうかと血迷ったくらいでした。うーーむ、そういう見方もある!スペイン人って、人を幸せにする天才ね。

 あとはスペインの歴史とフラメンコの由来を軽く。うんと軽く。
参考図書一覧と、みんなのためのレコード紹介。
それと筆者後書き。いつになく、しおらしいやつを。くくくく...しおらしい素顔の小さい写真と共に。

それに1ページ目の献辞。本書を〜に捧げます、という、あれ。
私は自分の苦労した仕事を捧げるのがとても好きだ。これは先のエッセイ集と同様、また、亡くなった父に。
 かつて父にそむいてスペインに渡ってしまい、あとから文通をして心を尽くそうとしたせっかくの思いつきは、たった2回目の手紙で挫折してしまったのです。
54才で亡くなってしまうなんて、想像もつかなかったので、それっきり永遠に別れてしまいました。ですから、このスペイン留学とともに亡くなってしまった私の父に。
フラメンコ・ダンサーだなんてとんでもない!と思っていたとても厳格な父に....いつもと同じ、心からの謝罪を込めて。

●2001年08月11日(土)

【あのガッツ、どうしちゃったのかなぁ....】


 1ヶ月前に好評だったカルメンの続き、今回でもう振り付け上がる、というのに主に初級の子達が脱落していると事務局から知らせが来ている。

あんなに健気に挑戦して、かわいいな、見所あるな、と頼もしく思っていたのに、どうしちゃったの?
 どうもパリージョ鳴らないし、かっこうがつかないしで、めげてしまったらしい、という推測が立っている。

本当なの?...だとしたら大きな間違いよ。
アラゴネッサは、クラシックの中では極めつけにちょうどいい速さで、あの速度より早くても、おそくてもパリージョが難しくなるのです。だから練習生の特にパリージョの不得手な人にはもってこいの速度なのよ。

 それからもう一つは、クラシコの有名なヌメロはどれもこれもとても長くて、初心者にはしんどいのです。早さと長さがちょうどいいのは、カルメンのアラゴネッサと火祭りを置いてありません。だから二曲とも超初心者用の曲なのです。3分で終わってしまうというのは、フラメンコではなかなかない。ここがクラシコを取り入れて、みんなの向上に役立てたいという私の真の理由ですよ。
もう一つあるのよ。それはね、今でも言われると思うけれど、フラメンコを習っているなんて人に知られると、あちこちから踊って欲しいとリクエストされてしまう。お友達の結婚式なんていうと特にね。
その時、本当に踊るものに困りますよ。フラメンコはあまりやれない。コンパネ用意してもらわないといけないし、歌とギターはあなたが多分自前で用意しないといけないでしょう。ギタリスト達のギャラは安くないし、練習代もとても嵩みます。かなり厳しい。挙句にそんな風にソロで踊れるかどうか経験も少なくて怪しい....。
フラメンコが自信を持ってやれるまでは、一つ、クラシコのヌメロさえ持っていたら、肩身の狭い思いをしないで済むのです。CD持って行ってまちがいなくいつもの速度、いつもの長さでやれる。しかも3分で終わるというのは大変に効果としていい。誰も長くやってほしくないし、あなたも早く終わってみんなの楽しい会話とお食事に加われる。お化粧だってどろどろになっている訳ではないしね。
 衣装は始めから着て座っていられるので、着替えの煩雑さもない。それにせっかくあつらえた衣装はいつもこういう素敵な場で活用できる。イブニングに見えない事もないしね。
 ここまで考えてあげているのよ、いつも。こんなに沢山はいちいち説明しませんけれどね。
 私の事、もっと信頼して欲しいな。できないと言ったって半年以内には絶対なんとかなるものよ。私さえあなたの隣に並んで出演しなければ、みんなあんまりあなたが素敵なのでびっくりしてくれると思うな。??励ましたつもり。

 下手だから習いに来るのだし、始めの何回かですぐ取れてしまうものなんか、何もわざわざ私に習うまでの事はないでしょう?だから簡単にめげないのよ、すぐあの、ついて行けない、という言葉を吐くけれど、3分のものなんかすぐにやれるようになりますよ。私が初歩のために選んでいる速度なのだもの。

 いつかはどこかで絶対に踊って、と言われますよ。言われてからでは遅いのですからね。たった一つか二つのレパートリーは潰しておくものよ。
 私は昔、シギリージャがなかなか巧くパリージョ付かなくて、アラゴネッサを毎日3分踊って力をつけたのよ。お試し済みなの。
あれは見かけ程、ウルトラC級ではないのよ。あれ以下の曲などどこにもないもの。もっとガッツ持って!だめじゃないの、心意気よ。他のコースに目移りしてしまったとか、振り付けが好きじゃなかった、というならともかく。
 もしも考え直してこの曲しっかり習おう、と気を取り直したら迷わないでね。クラシコはとても自習が楽しいし、フラメンコへの近道なのだから。

●2001年08月10日(金)

【タンゴ・デ・マラガからキューバに飛び....】


 タンゴ・デ・マラガの説明文に入ろうとして、一人の男性の伝記を丸々読んでしまった。つまり、このタンゴを創作、確立した男性についてだ。

なんとも驚きました。戦争が出てきてしまうの。ものすごく前の戦争よ。
所はキューバ。時代は19世紀末。
そこからずるずる派生して読み継いでついにフィリピンにまで飛んでしまいました。
もう、なんでしょう、これ!世界史の勉強のやり直しじゃない!
世界史大辞典まで動員。

スペインは次々と戦争に負けて、フィリピンを手放してしまい、かくしてマントン・デ・マニラは手に入らなくなる。
ついでなので、ここで脱線して衣装解説。

 知ってましたか?あの正装用の刺繍のショールはフィリピンから来ていたのですよ。それからペイネータと呼ばれる飾り櫛のベッコウ、珊瑚の装飾品などなど、みんな植民地統治時代のものなのです。
 今でもスペインの女性は珊瑚には並々ならぬ執着を持っています。どんなに若くても、硬質の宝石よりずっと好きみたいです。
 珊瑚のクラシックなイヤリングはピミエントと呼ばれる涙型に揺れる細工もので、これはフラメンコスタイルの総仕上げです。フラメンコの舞台ではバイラオーラは本物の宝石でできたイヤリングをするのですよ。特にフィエスタ・パルテイクラールと呼ばれるフラメンコの内輪のフエルガに行くような時には、なおさら。
 踊っている最中にマントンのフレコなんかに大事な宝石がひっかかったりすると気が気でなくなりますから、本当には好ましくないのですけど、なんていうのかしら、こちらではバイラオーラの誇りというか、心意気というか、とにかくセビージャは着道楽ね。自分の衣装は平安貴族が香をたき込んだみたいに、みんなここではいい香のするような柔軟剤にくぐらせて、丁寧にアイロンしてそれはそれは大事に支度を整えます。ハンガーにかけた後も、出番までちょっとしたカバーをかけたりして。
 私が発表会で驚くのは、みんなが衣装を平気でそのへんに脱ぎ捨てたりする事。芸者屋の女将のようにがみがみ言ってしまう。
 踊り手たるもの、たとえアマチュアだってきちんと作法正しく自分の第二の皮膚は大切にするものよ。
 たった一人で観客の前に立たなくてはならない自分のために、せめてしてあげられるだけの事はしてあげないとね。
 さて、久々のスペイン語講座もアップします。...クリックしてみて。

●2001年08月08日(水)

【誰のせい?】


 日課にしている最低ラインのレッスンさえ、やる気がなく、これはいよいよ重症だ。根性が腐ったか?....思わず懐疑的になった。

 やる気の有無に関わらず、私は思い出す限りの大昔から舞踊と共に生きてきているので(何これ?恐竜の事か?て)これだけは絶対に、というものは決まっている。そして誰に何を言われなくても自動的にやるものなのだ。

 それが、ドアを開けるなり、イエス様登場か?というようなものすごい光のつぶて!思わず外出をやめたくなるすごさ。
 まあまあまあ...キーを握り締めて車に乗り込むと、焼けつくような暑さ。ハンドルがさわれないのはいつもの事だけれど、しばらく運転してもまだ小指程度しか触れられない。ようやくしっかり握れたのは丘を降り切る頃だ。降りた途端に電光掲示板というか、時刻と気温が交互に出て来る街の表示に何かそんな筈はないような幻覚数字を見てしまった。
目までとうとうダメになった、頭と根性の次ぎに....!

ぱっちりと開け直してみる。はーーーーはっはっ!52度だって!!!
気温52度!!!

焼きが回っちゃったかと思ったら、なぁんだ、気温のせいかぁ、ふーっ、冷や汗ものでしたね。52度だもの、あなた。私だってもう、ナンにもやる気なくなっちゃうわよ。こぉんな、北アフリカ!
そう、ここはヨーロッパではない!

クラブに着くとだぁれも居ない。ひろーーーいプールで泳いでいるのはたったの一人!それもどこかで見た人...私の夫。OFSがCDお買い上げの皆様と、このクラブの会員700人に差し上げているオリジナル水泳キャップをかぶってざっざっざっと泳いでおる。
はーーーはっは、こおんな日に外出してくるのは友繁フアミリーだけですよ、もう、気の利いた人間のする事ではないもの。42度だってすごく暑い。なのに、あと10度も!
....そう言えばいつも根性が萎え始めたと錯覚するのは、夏の40度を越える日なのだ。かくして水撒きのホースからは熱湯が飛び出し、草花はぐったり、ハイウエイはがらがらで、クラブは全館貸切みたいな有様。

 朝晩は冷え込むくらいに涼しいのがここの取り柄なのに、晩になってもまあ、げっそりするような暑さでしたよ。腹筋台で70回辺りで頭がぼーっとしてきたもの。400なんてとてもできなかったな。200を休み休み、だらだらと。腕立て伏せなんかもう、嫌!私こんな事!ていうくらいあっさりやめてしまった。
 
 ま、唯一まじめにした仕事は本の原稿を進めた事くらいです。ファンダンゴの語源がファドだっていうのだもの、またびっくりしてしまった。ポルトガルはスペインの植民地でしたからね。カサノバ回想録にもフアンダンゴの記録があるとか言うのを懐疑的になって、道草してしまい、あんまりはかどりませんでしたけどね。デュマの戯曲にも出てくるなんて言うものだから、収拾がつかなくなってしまいました。
 アストゥリアス行ったり、カタルーニャに飛んだり、南米やポルトガル...フラメンコってなかなか面白いですね。そして、こういうものを書いて学説立てている人はジプシーではないのですから。
 どこまで曲の解説をするかがなかなか難しいです。とっても面白いし、サンガロなんて曲の事すっかり忘れていて、昔踊った事があるのでした。今夜はいよいよ極めつけ、シギリージャの文献に入らないと。昨日ちらっと目算したらあんまり沢山しちめんどくさい資料があってげんなりしてしまったのです。ま、読み出すとへえー!わぁーーー!と感心に次ぐ感心なのだけれど。いつも出だしはげっそり。早くずらかりたい、の一心。これ、気温のせいにしちゃう?

●2001年08月05日(日)

【おだてられるとピレネーにだって登っちゃう筆者】


時々、あれはもう売り切れてしまったのですか?式の質問が来る。
....私の書いている本だ。
どっと汗が出る。は、あ、その、う、...
まだ出てないの!うーーんっと、もうちょっと待って、頑張るから!

 編集者は「実に丹念に調べてありますねぇ、熱意がひしひしと感じられます」なんて誉めてくれて、次ぎの行には「...で、残りはいつですか?」とぐさっと本題に入る。
 このメールに答えないで1ヶ月が過ぎてしまった。今日、もういい加減にしろ、と言われる頃だと観念して最終章に入った。

 説明したいフラメンコの「主な曲」がどうしても25曲に昇ってしまう。とてもこんなにはページが残っていないのだ。
だから筆が進まないでうじうじしている。
 思い切って分類に工夫する、というのだって悪くない。
そう決心して今日は一気に8曲終わらせた。三日でやれるぞ!本気出すと早いのだ。(今ごろ見栄切ってどうするの?ですよね、ばかみたい)
 帰国までに絶対に大筋は終わらせて、巻末の親切ガイドとか、楽しいイラストなんかに入りたい。...体育の日までに終わるぞ!縁起がいい、そうだ体育の日!これに決めた。

 曲の解説というのは専門書には「〜という説が一般だが、誰それによるとこれは不確かと言う事で、〜説という見方も捨て難い。しかし総じて、この時代の事は明らかにされていない」みたいなのがとても多い。
私はこれは極力避けている。
 フラメンコの知識を得たい一途な練習生は、こんな文章に度々出会うと途方に暮れるだろうと思うのだ。私も昔、だから何んなの!はっきり教えて!と思った事が随分あった。そんなくだくだしい事は書いてくれるな!というのが本当だろう。綿密を期したい、というよりは、後で避難されたくない、という筆者のエゴが見え隠れするように思えてならない。

なんとでも避難してちょうだい。私は親切で的確な、歯切れのいいものにするんだから。....このスタンスで全編貫く事にしている。

 思考錯誤は勿論多いけれど今日の原稿を仕上げている途中で、GARROTINはカンテ・ヒタ―ノだという文献に出会ってとても驚いた。
アンダルシア民謡のフラメンコ化だと漠然と印象していたのだ。民謡から発展しているけれどアンダルシアではないと言うのだ。へー!どこ?と思いきや、アストゥリアスだなんて、驚きましたね!素晴らしいでしょう?あの可愛い、愛嬌たっぷりのガロティンが、硬派の歌でお馴染みのジプシーのものだなんて。知っていた人は少ないと思うな。しかも北から降りて来たなんて。

 謙虚じゃないと言われようと、すごくいい本になると思うと又、力が湧いて来た。作者が章ごとに確信して書き進まなかったらどうして読者を魅了できよう?はは...能書き言ってないでさっさとやれ!て?ごもっともです。昨日も今日も41度なのよ。しかも週末の午前2:30...ちょっとは励まして。そうしたらもっと頑張るわ。明日が日曜でもね。
もう休んでもいいでしょ?チャオ...

●2001年08月03日(金)

【モーニャ・デ・ハスミネ】


 夏になるとアンダルシアはいよいよ香の国になる。
 乾燥した土地によく育つジャスミンが白い可憐な花をいっぱいつけて香るのだ。
 この国に渡ったのが夏だったために、いつもこの季節になると留学生だった初めての夏が思い出される。
朝の八時からレッスンだった。
こちらの八時というのはまだようやく夜が明けたばかりの日本の六時というくらいの早朝だ。霧もやの中を、緊張と期待とあらゆる思いを胸に、通ったものだった。

 当時は観光の中心で、古い歴史の息づくバリオ・サンタクルースに住んでいた。どこに行くにも必ずお城の城壁を回り込まないといけなかった。
 「夜の貴婦人」と呼ばれるDama de Noche は、昼間は花を閉じていて日が沈むと毎晩花開いて芳香を放つ風情ある不思議な花だが、この花がお城の城壁にそって咲いていた。

 香というのは、無意識の深層に作用すると見えて、ジャスミンと夜の貴婦人の香りがひとたび鼻腔をくすぐると、一瞬にして昔の自分に戻ってしまう。スペインの夏の夜の思い出が、何年経っても私の意識によみがえって、なんだかとても切ない気持ちにする。
 夜色の空に輝く星と、ぼんやり煙る月を眺めていつまでもいつまでもそぞろ歩いたものだった。

 街角のBARは人々でごったがえしていたっけ。厳しい暑さは、日没とともにひんやりと清楚な空気に変わり、みんなをくつろがせる。とびきり明るい、楽天的な気分にしてくれる。

 星空の下にイスやテーブルの並ぶこれらのBARで、思いきり冷えたビールを重ねながら笑いさざめくのだ。すると籐のかごにいっぱいのジャスミンを載せて、テーブルからテーブルに花売りが回ってくる。
 ジャスミンの花は親指の先ぐらいの小さな5弁の白い花だが、これを沢山ヘアピンに刺したものを作る。可憐な花は集まって白い玉に形作られているのだ。ピンポン玉くらいの大きさで、とても安い。
どんな男性にも買える。
それを同席している女性に買ってやり、彼女はうやうやしく髪に差すのだ。

 こんな風に男性に甘やかされるのは、まったくもって女冥利に尽きる。
スペインの夏の夜...実はこれを書いている私の手元にジャスミンが香っている。お届けできたらいいのに.....

●2001年08月02日(木)

【裸婦よりも太く!】


 ご無沙汰、滞り気味。
 毎日更新にウソあり!そのうち告発されてしまうかな?

 あわててスペイン語をアップ
クリックした人の数がなんにも書いていないのにうなぎのぼりで気にしてしまう。ごめんなさーい。 もう忙しくって.....

 確かゲストブックになんだかのレッスンしているがちっともうまくならない。コツはないですか、とか誰かが書いていたような...笑ってしまった。
何をしなくてはいけない、という事がちゃんとわかっている場合はやるのみよ。コツなんてないですよ。体得する。ひたすら。

コツっていうのはどうしていいか分からない場合に考える事で、どうしろ、こうしろ、こうしたらうまくなるって、もう私が微に入り細に入って、懇切指導しているのに、その上にコツって、それはあんまりというものよ。

要するになんにもしないで寝転んでいて知らない間にうまくなっていたいな、の言い間違いでしょ?
そんなになんでも人がやってくれたら自分がやる楽しみと喜びがなくなってしまうじゃないの。
ちょっとあれみたいですよ。このベルトを巻いているだけで腹筋900回の効果!脚に巻けば、かもしか足!
出て来る、出て来る美容器具!
 この間日本に帰った時に思わず目を見張ってしまった。ほんとかなー、と思いつつ,ページを次々繰って大笑いしてしまった。いやぁ、楽しかった!
顔まで小さくする機械が出て来るのだもの....なんでしょう、あれは!
そうかと思うと暑苦しそうな寝袋みたいのに入り込んでしまっている姿が出てきて、これでやせる!....こおんなうっとおしい真似なんかしなくたって
ドランテを毎日3回踊ると、すごい全身運動で私でさえ、痩せるのです。10分くらいのものよ。たったのそれだけ。その上ただ痩せるのでなく、踊りまでうまくなってます!てなものです。
 日本は痩せたい人ばかりだけれど、私はぽっちゃりした人が好きよ。こりん、と太った女性って魅力的だと思うな。お腹も少しまぁるい方が、フラメンコとしてはかっこいい。腕はしなやかでほっそりしていないのなら、いっそむちっと太い腕、とってもいいな。こんな体になったら立っているだけで絵になってしまう。フラメンコの本当の名人と言われたバイラオーラってそろってセザンヌの裸婦よりおでぶさんばかりなのよ。ホラ、フラメンコ体型のコツ、教えてあげましたよ、今日は。....励んでみて。

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