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2006年12月のセビリア発信・つれづれ草
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●2006年12月22日(金)

機内になって思い出すこと....

一段と寒くなって 衿元を思わずかき合わせて車を降りると
そこに近々退会した生徒がじっと私を待っていました。
今朝、彼女の事を考えていたばかりで以心伝心だと胸の中で何かが明るく弾けたのだけれど
出た言葉は「悪い、そこの角のクリーニング屋が閉まっちゃうのこれ、受け取ってきて!」
...はいはい 二つ返事で駆けて行く人を見ながら、
あらら いつも私ってこれだ
と、思う間もなく三人くらいに囲まれて次々用事。
人間の頭って 物凄い勢いで回っているもので
あら、あの子は私に会いに来てくれたのね
体は良くなったのかな、顔色悪くなかったな
とか、年末の忙しい寒い日に!なんて次々心に浮かぶ。

「お店のシャッターが下まで降りている間一髪でした!」コートを請出して来てくれた子は弾む声で報告。
やっぱり....
ご主人の夕食の支度にと暫く話してすぐに帰ってしまったけれど 帰り際に渡された袋の意味が
その晩遅くまで分からなかった。
一つは私の誕生日を覚えてくれていたのと もう一つはうちの娘のためにユーハイムに行ってくれたみたいだった。
なんて濃やかな心遣いかと しみじみと感じ入った。
働く主婦だったらそれだけで この月の夜は何の暇もないだろうにと思うのに。
諸事情で退会していったお稽古の先生に会いに行くなど 中々できそうでできないものだ。

けれども三人も同じようにして人が来てくれた
会うととても嬉しい。また調整して来ますと言うし
そのうちきっと来れるようになるんだろうなと思う。

20日の夜は 別の生徒から10時に電話が入った。
「残業でやっぱり行かれませんでした せめてお祝いが言いたくて」
優しい気持ちありがとう。
仕事でわさわさしていたけれどちゃんと飛行機の中で反芻して嬉しく思いました。

パッキングで苦しむ最後の晩に 南部鉄瓶を贈ってくれる子がいて
何回も思い出し笑いをした。
このズレ加減がかわいくて素敵だ。
今回は持って帰れないのだけれど お正月にあったらどんなに良かったかなと今は残念に思う。
和趣味の私はもう何年もあれが欲しかったのだ。
パッキングに苦労して 持って帰りたいはずのコートを三着も人に譲ってしまったくらいなのに
それでも出発のカウンターで40キロと出てしまった私です。

昨晩 
奇跡的に荷物は無傷で全部出てき、
乗り換えはみんな一時間くらいでスムースだった。
ドイツでさえまだ雪は降っていなくて 12月の旅行は冬の出だしだから
まだオーケーだ。1月2月はやっぱりとても危険だと思ったものでした。

最終日に書類読み合わせを買って出てくれた優しい生徒がいてくれて
本当に助かりました。彼女が居なかったら 私の出発前夜はとても辛い一色だったと思います。
心から感謝します。

それから突然電気を消してけしからんかった皆さん
ケーキとシャンパンありがとう。
楽しいレッスンでしたね!
しっかり お稽古してくださいね。

●2006年12月08日(金)

集中レッスン


間もなく みんなに会えると思うと とても嬉しいです。
なんだか今回は 間が長い気がしました。

プログラムが新規で 色々試してみたいことが多いから
待ち遠しいのかも知れません。

メールも沢山 いただいていますが お返事しなくてごめんなさい。
にも関わらず どんどんレッスンの申し込みが届いているそうでとても嬉しく思います。

今回のプログラムは 斬新な物に溢れていると思うのですが
物怖じしないで 受けてみてください。

いつもは会えない入門生も新規の初級も是非 
私に会いに来て下さいね。
そして 
年末の忙しい時期をやりくりして来てくれる人達、
きっと期待に応えて フラメンコをしていて良かった!
と思ってもらえるような時間を過ごして欲しいと思います

さて
家中が総出で あちこちに遠征しています。
12月というのは 一年の総決算で 年間の様々な大会の〆になるので その年の優秀賞などが選手に贈られたりします。

上の水泳娘が グラナダで冬の海の大会で奮闘しています。真冬の海なんかに飛び込むなんて聞いただけで鳥肌が立ってしまいます。本人はいそいそと暗い早朝に出かけて行きました。

下の新体操の娘は 今期の南スペインカップで一位になり、
スペイン選手権に代表として昨日旅立って行きました。

今回はアカデミーの仕事が立て込んでいて私は付き添いができなくなり、ちょっとかわいそうです。
スペインは大家族で一人の選手にみんなして応援に行くので 一人ぼっちで三位以内に入っても
祝福してくれる家族が居ません。
280人のトップ選手の中で戦うのはとても大変です。
....なんとなく 心寂しい 辛い気持ちがふとします。

夫はトライアスロンの選手で これまたマラガに遠征です。
先週はアンダルシアチャンピォンになったので 年間成績でも何かメダルが出るかと本人張り切っています。

私にはメダルもカップも出ませんが
今年は芸の上では大きな収穫があり、例えば昨年よりはずっと充実した気持ちになっています。

アカデミーでもその新規の風を吹き入れて
生徒を大切に育て上げたいなと 又昔のような
浮き浮きとした気持ちになります。

人は心の高揚と沈滞を繰り返すものですけど
どんなに長く春が来ないと思っても
ずっと沈んだままではいないものです。

いきなり ある日 
からりと空が晴れ渡って
美しい青い空と 輝くような白い雲が湧き上がって
ああ!

今の私がこんな感じです。
フラメンコはやっぱり すごくカッコいいですね!
どんなに何年も続けても いつも新鮮な驚きと魅力に溢れています。

健康のためにだらだらした生活をしてはいけないのなら
それは リズムが素敵で 身のこなしも優雅でいて
決然としたフラメンコが一番楽しい気がしています。

この芸を一筋に極めて行きたいと 
最近激しく情熱をかき立てられています

自分一人で楽器屋にとことこ出かけて
ベークライトのカスタネットをお小遣いで買ったのは
12歳の時です。
あの心躍る楽器! 
こんな感じかな?と稽古を始めた
あれが 私のレッスンの始まりだったのかもしれません。

ああ、何十年という歳月....
心を魅了してやまない この舞踊
人に教えることができて幸いです

自分の生きてきた人生に心からの感謝を捧げて
幸福な深呼吸をし、
私はこの素敵な芸能を
生涯愛して 精進したいと思います。

今年に何か新しい風が吹いて
来年は うんと努力しようと思えてきました。
センティードを変える。
一段とカッコいいフラメンコを目指したいです。

リトールドしてありますから 是非 その風を
感じてみて!!!

月曜の朝一番に飛行機です





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